野口愛永さんが生き埋めにされた「船橋18歳少女生き埋め殺害事件」とは
2015年4月20日未明、18歳の野口愛永さんが4人の男女により拉致され、千葉県芝山町の畑で生き埋めにされて窒息死した事件です。
犯人は野口さんの高校時代の同級生である湯浅成美（犯行当時18歳）、井出裕輝（犯行当時20歳）、中野翔太（犯行当時20歳）、および16歳の鉄筋工の少年です。
「船橋18歳少女生き埋め殺害事件」の起きた原因と犯人の動機及び事件の経過
原因や動機は野口愛永さんと加害者の湯浅成美とのトラブル
野口愛永さんと加害者の湯浅成美は、かつては非常に親しい友人関係にありました。
しかし、野口さんが湯浅さんから借りていた中学の卒業アルバムや衣類を返さないことがきっかけで、二人の関係は悪化します。
卒業アルバムは、野口さんが当時行っていた夜の仕事で身分証代わりとして必要としていたもので、それを返さないことにより、湯浅さんは強い不満を抱いたと考えられます。
それ以外でも、野口さんはホストなどへの遊興費で湯浅成美から金を借りており金銭トラブルもあった。
●湯浅成美は他の女性ともトラブルを抱えていた模様
再三卒業アルバムを返すように連絡しても、音信不通になり逃げたことで野口さんへの苛立ちを募らせていた。現に、知人への電話で「本当に野口と連絡取れなくて、取れたらキレる。警察に捕まる覚悟でやっちゃう」と話していた。
事件の計画
湯浅成美は、肉体関係にあった井出裕輝に相談。二人は、野口さんを拉致し、現金を奪った上で殺害するという計画を立て、実行に移しました。
事件前日の4月18日夜に、成美から相談を受けていた井出は、仕事仲間で友人の中野翔太に野口愛永さんの殺害方法について相談した。井出は人が埋められる場所、そして野口さんを殺害してから埋めるか中野に相談。
中野は「殺してしまうと遺体を運ぶのが重くなる、生きたまま穴に入れよう」と提案した。
事件当日、4月19日の総長、井出と中野はレンタカーで千葉市に向かった。仕事から帰ってくる野口さんと合流し、あるホストクラブの前に車を停めた。野口さんがSNSで「100万円のシャンパンタワーをやる」と発言知っていたのを知り、待ち伏せしていた。
この頃、井出は野口さんを後部座席の中央に座らせ両手足を結束バンドで縛ることなどを作戦として指示していた。本名がバレると困るからという理由で、井出と中野はそれぞれ「ケイ」「ジョン」と呼び合うことにしていた。
野口愛永さんの捜索と拉致
しかし、計画通りにいかなかった、店を訪れたが野口さんには会えなかった。困った3人は野口さんの友人である鉄筋工の16歳の少年の元へ向かった。彼はのちに、この事件に巻き込まれ逮捕された。
湯浅成美と16歳の鉄筋工の少年と合流して、野口さんの捜索に向かった。レンタカーには井出と中野が乗り、少年の車には成美と少年が乗った。
その頃、野口さんは友人と一緒にホストクラブを出て、千葉市内のホテルで一休みしていた。この時、野口さんの所持金は2万数千円ほどだった。
そして野口さんが友人とホテルから出て歩いていると、車が突然止まり、成美が車から出てきた。成美は「なんで連絡しないの？借りてるものがあるんだから早く返せ」と言い、野口さんを車に乗せようとした。
この時、野口さんは「携帯の電源が切れていた、これから仕事があるから」と説明し逃げようとしていた。しかし、成美が「うちの先輩が近くに来てる。一緒に話を聞くから」と言って野口さんを強引に車に乗せた。
その場に一緒にいた野口さんの友人は、後から「何が何でも車に乗せようとする少女の様子に違和感を感じた」と述べている。
成美と少年が野口さんを見つけた後、2人は中野と井出の車に乗った。井出が運転する車の中では、後部座席に野口さんが座り、その左右を成美と中野が囲むように退った。中野は野口さんとは初対面だった。
車が走り出してから、成美と野口さんが卒業アルバムの話などを始めた、成美は野口さんから携帯電話を取り、バッテリーパックを外した。
一方で、井出は「シャンパンタワーと友達のものどっちが大事なの？」と野口さんに詰問したり、野口さんの財布の中身を見て「これだけかよ」などと言っていたという。
突然、井出が「準備しろ」と言った。少年の後ろで袋を探す声が聞こえ、成美と中野が野口さんの手足をケーブルタイで固定し、口の下に靴下を詰めて粘着テープで塞ぎ、さらに土嚢袋を頭から被せた。
井出は「耳だけ聞こえるようにしろ、横に倒せ」と指示をし、「これからどうなるか教えてやれよ」と中野に言い、中野は「これからお前は死ぬんだよ」と答えた。
性的暴行そして生き埋め
井出と中野は、野口さんを林に連れて行き性的暴行を行った。戻ってくると成美は、笑いながら野口さんの体にタバコを押し付ける「根性焼き」をしたり、井出と中野も更に殴ったりといった暴行が続けられた。
井出は「オマエはこれから起こることは何も見てないし、いないことにしろ」と、運転手をしていた16歳の鉄筋工の少年ににそう言った。
犯人達は、野口さんを後部座席からトランクに移して、車は中野が前日に掘った穴がある畑へと向かった。井出は実家に道具を取りに行く、野口さんは「もう一度話がしたい」というも成美は「お前が悪いんじゃん、お前と話すことはない」と言い捨てた。
その後、井出がスコップを持って社内に戻り、井出と中野は野口さんを抱えて畑の穴の方向に消えて行った。
「ちょっとだけ埋めておいて」井出はそう言うと、成美と少年を乗せた車の駐車をするために、成美たちと再び実家に戻った。中野は野口さんを穴に引きずり込み、生き埋めにし始めた。
中野が「横になれ」と指示した野口さんは体を震わせながらも倒れ、その上に土砂がかぶせられた。周囲が静まり返る中、野口さんの声が近くの民家に聞こえて発覚するのではないかと焦った中野は、井出の指示に反して野口さんが見えなくなるまで土をかぶせていった。
それに対して井出は、「お前もう埋めたのか鬼だな」と笑いながら言っていたと後に16歳の鉄筋工の少年は証言している。
そして、成美を含めて3人で野口さんを埋めた場所に戻ると、井出はスコップを突き立てて野口さんにさらにとどめを刺すような行為をし、「届かないか」と笑いながら「こうやっとくとわかんないだろう」と埋めた後を農具でならしたり、葉っぱをかけるなどして証拠隠滅を図った。
のちの裁判での中野による証言では、井出は埋める瞬間に立ち会える残念そうだったと語っている。
その後、殺害現場から車で離れた成美たち、途中で少年が野口さんの携帯電話を川に投げ捨て、みんなで野口さんが所持していた現金を分配した。
井出はお金を受け取ると「この仕事2千円かよ」と悪態をついていた。
事件発覚
湯浅成美は「誰にも言うなよ。今から人やるんだよおね」と有人と電話で笑いながら話して、「犯行後には生き埋めにしてやった」、「根性焼きしたら魚みたいにはねた」、「めっちゃビビってた」と伝えていた。
中野も友人にメールで、「今の俺さ、最強だよ」「ここだけの話しさ、人を容赦なくやれるもん」と犯行を自慢していた。犯行を聞いた友人が警察に相談し、事件は発覚、その後、井出や中野は逮捕された。
犯人・湯浅成美、井出裕輝、中野翔太の生い立ちや家族
湯浅成美（なるみ）
1997年3月生まれ、フィリピンハーフで、両親・祖父・弟2人の6人家族で暮らしていた。
成美は中学時代、ハリーポッターが好きな、ごく普通の少女だった。
湯浅成美は野口さんの高校時代の同級生で、かつては友人関係にありました。成美の家には野口さんが頻繁に遊びに来ており、一時期は同居していたほど仲が良かった。
中学時代、テニス部に所属して、野口さんと同じくテニス部員だった成美は後輩の面倒見の良い青春を送る高校生だった。
高校時代に入ると成美の様子に変化が現れ始めた。男性との交際が派手になっていき、深夜に男性のバイクに乗っていたところを目撃されたりしていた。
しかし、野口さんが借りた物を返さないことなどが原因でトラブルが発生し、関係が悪化しました。
井出裕輝
1993年生まれ、2歳の時に両親が離婚し、実家に預けられた。16歳頃から父親と同居を始めたが、その後再び別居したが、交流は続いていた模様。
事件当時、彼は住所不定の無職だった、過去に鉄筋屋で働いた経験があり、そこで共犯の中野翔太と知り合った。
共犯の湯浅成美と肉体関係があったが、恋人同士という関係にはなかった。事件については、湯浅成美の相談を受けて殺害計画を立てた。
中野翔太
中野翔太は幼少期に両親が離婚し、家庭環境は複雑だった。母親は家を出ていき、父親も再婚して子供たちを引き取らなかった。そのため、中野は姉と弟の3人で祖母に育てられたが、祖母との関係も良好でなかったという。
中学時代は、陸上部に所属していたが、学力が著しく低く高校進学はできなかった。逮捕後の精神鑑定で「軽度の知的障害がある」と診断された。しかし、中野自身はその自覚がなく「よくわからない」と答えている。
中野翔太は井出裕輝と鉄筋屋で知り合い友人になったが、事件前に井出裕輝から借りた携帯電話で12万円分を使い込んでいた、その返済のため、食べ物を買いに行かせられたり、車を洗車させられたりと井出のパシリのような存在になっていた。
更に鉄筋屋の給料をそのまま井出に渡したりと暴力を受けることもあったという。「中野はこれらの扱いについて、パシリはしていたが友人には変わりなかった」と語っていた。
その流れから、井出裕輝から殺害計画を持ちかけられ、共に犯行に及んだと言われている。
なお、精神鑑定の際に、入院した際、中野は女優・堀北真希の写真を飾ったり漫画を読むなど、リラックスした態度を見せるなど反省の様子はなかったという。
鉄筋工の16歳の少年
東京葛飾区の当時16歳の少年はほとんど情報がないが、葛飾区で鉄筋工として働き湯浅成美と交際していたのではないかと言われている。
被害者・野口愛永さんの生い立ち・風俗勤務やホストとの関係
生い立ち
野口愛永さんは3人姉妹の長女として生まれた。両親と5人暮らしで、父親は厳格なトラック運転手だった。近隣住民によると家族仲は良く、家族で出かけているところがよく目撃されていた。
子供の頃の野口さんは「空手少女」として知られ、地元の大会で上位に入賞するほどの実力だった。礼儀正しく、小学生の妹の面倒もよく見ていたようだった。
しかし、高校1年生の時に中退をしてからは変化が現れ始めた。服装が派手になり、Twitterには次々と交際男性の写真がアップされていった。
風俗勤務やホストとの関係
ある日途上でホストに客引きされた野口さんは、すっかりホストののめりこんでしまい、そのホストが税咳する店に頻繁に通うようになり生活が乱れていった。
夜の街に染まり乱れた生活をおくる娘の姿を父親は咎めたが、それが原因で喧嘩が絶えなくなり、野口さんは父親との衝突が原因で18歳になった2014年に家出して翌年2月以降から家に帰らなくなった。
野口さんは愛するホストに貢ぐために千葉栄町の性風俗店で勤務を始めた。野口さんは複数のホスト店に通うほど、ホスト遊びにのめりこんでいった。
野口さんは事件当日に、100万円のシャンパンタワーを注文していた。なおこの際、50万円をツケ払いにしていたという。こうしたお金のために、友人たちに借金をしていと見られている。催促されても返すようにもなく逃げまどっていたようだ。
またキャバクラや風俗店の面接に必要な身分証明書として同級生から卒業アルバムを借りていた。体験入店だけして行かなくなることを繰り返していたので、その数だけ卒業アルバムを借りていたとされ湯浅成美もその一人だったという。
犯人・湯浅成美、井出裕輝、中野翔太の裁判の経過と裁判結果の刑罰
湯浅成美（無期懲役確定）
第一回公判では、湯浅成美は殺意はなかったと主張、弁護側は殺害計画は他の被告が立てたとして強盗殺人を否定した、一方で検察側は「被告人はトラブルの合った被害者の態度に腹を立てた。所持金を奪って殺害しようと井出被告に伝えた」
第二回公判では、中野被告が出廷して成美に対して「否定しないですべての罪を認めて」と発言、その後、「湯浅は笑っていて楽しんでいるようだった」と話した。
第六回公判では「埋められたと確信したのは逮捕されてから、殺害計画については知らされてなかった」と証言、その後遺族について謝罪について問われると「自分のことでいっぱいいっぱい」「自分は価値観が狂っているので、立ち直って今回の事件が重大なことだと理解するまで何も言えない」と答えていた。
また「他人に暴行することに抵抗がないと」断言し、自分の改善点として「人の痛みがわからない」「感情をコントロールできない」といった点を挙げた。
2017年1月25日の論告求刑公判で、検察側は無期懲役を求刑。2018年2月3日、千葉地裁は無期懲役を言い渡した。湯浅成美の「計画を知らなかった」という主張に対しては、「遅くとも犯行直前には。具体的に認識していた」と指摘、さらに「井出らが被害者を殺害するかもしれないと認識しながら、「それならそれでも構わないと考えた」として、殺意があったと判示した。
「強盗殺人の成立は免れない」とした上で、「犯行を主体的・能動的に行い、重要な役割を果たした」と結論付けた。
その後、湯浅側は控訴したが、2018年12月11日に棄却。2019年6月3日には最高裁が上告を棄却したため、湯浅成美の無期懲役が確定した。
井出裕輝（無期懲役確定）
2017年2月12日、井出の初公判で、井出は「強盗殺人ではない」と起訴内容の一部を否認した。
検察は井出が「犯行の計画を立てるなど、主導的な役割を果たした」と指摘。弁護側は「脅すことが目的だった」と主張し、殺意を否定した。
第7回公判で井出の謝罪文が提出され、代読された。それによると「軽率な気持ちで手を貸してしまった」「深く反省している」と述べたが、主体的な立場は否定した。
2月23日の論告求刑公判で、検察側は無期懲役を求刑。弁護側は、強盗殺人罪の不成立を主張した。
2017年3月10日、千葉地裁は無期懲役を言い渡した。裁判長は「人間としての尊厳を踏みにじった残虐な犯行」と非難。井出の殺意を認定し、弁護側の主張を退けた。
井出側は控訴したが、2018年3月1日に東京高裁が棄却。2018年12月25日には最高裁が上告を棄却したため、井出裕輝の無期懲役が確定した。
裁判において、情状証人として呼ばれた父親は井出について「だまされやすい」と証言、周りに流されて犯行に及んだ可能性を指摘した。
また、父親は遺族への謝罪について「考えている。自分も娘がいるので・・・」と述べたが、具体的な行動はなかった。
中野翔太（無期懲役確定）
2016年11月11日、千葉地裁で中野の裁判員裁判が開催された。中野は起訴内容を認めた。検察側は「全逆活計画的な犯行で、動機は身勝手」と主張。弁護側は井出との力関係から「協力を断り切れ犯行に加担した」と反論をした。
中野は「バレると思い、焦って全部土をかけた」と証言した、一方で犯行後に友人へ「人を容赦なくやれる」とメールしていた。精神鑑定では「軽度の精神遅滞がある」とされたが、精神科医は「精神遅滞がなくても生じ得た犯行」と述べた。
11月30日の判決公判で、裁判長は「残虐というほかない」として無期懲役を言い渡した。裁判長は「井出に支配されたわけではなく。能動的に動いた…知的障害の限度も限定的」とした。
中野側は控訴したが、2017年6月8日に棄却。2017年10月10日には最高裁で無期懲役が確定した。
鉄筋工の16歳の少年（少年院送致）
最初に殺害を持ち出した湯浅成美、殺害を実行した井出裕輝、中野翔太らと違い成り行きで事件に巻き込まれ、犯行に手を貸してしまったと見られる。
裁判でもこの状況は汲まれ、他の犯人らが無期懲役に処される中で、この少年だけは非行事実による少年院送致という決定が下された。
犯人・湯浅成美、井出裕輝、中野翔太の現在の状況
鉄筋工の16歳の少年以外の犯人たちは無期懲役が確定して、それぞれ刑務所に収監されている。
ネットの声
この先の長い人生、
誰と関わるかがほんまに大切やな。
借りたものは返さないと殺されることがよくわかりました。
通報をいたずらと流さず捜査→遺体発見→犯人逮捕に動いた警察優秀。
未成年を情状酌量の理由にせずYに無期懲役をくだした裁判官超優秀。
登場人物全員、超アタマが弱い。
結局自業自得やんけ。最初、生き埋めでひでぇと思ったが、
被害者の金に無心なとことか性格なとことかアルバムとかお金をちゃんと返しておけばこうはならなかった。自分自身が生んだ悲劇。あの世で悔いるんだな
申し訳ないけど、被害者が想像以上にだらしなかった。これが殺されて良い理由にはならないけど、こんなに人の恨みを買ってたら、いつか暴力振るわれるんじゃないかとか、何かされるんじゃないかとか考えなかったのかな?にしても生き埋めはやばいね。
